『Room107 その5』
ある晴れた日の1年7組。
それは朝で、昼休みで、放課後で。
朝、数学のワークの端で水谷が派手に指を切った。
血がたらりんと流れるのを呆然と見ていると
篠岡が絆創膏をくれた。
昼休みに三橋がお茶の入ったペットボトルを
倒したときに篠岡がタオルを貸してくれた。
放課後になってクラス帰り支度をしている
篠岡のカバンを見て水谷が言う。
「篠岡のカバンって何でも入ってそう。すごいなー。
まるでドラえもんの『どこでもドア』みたいだよね」
「え?」
問い返した篠岡だった。
「違うだろがそれ」
阿部がすかさず横から突っ込みを入れる。
「水谷、なんで『どこでもドア』なんだ。
ドアから絆創膏やタオルが出てくんのか?
それを言うなら『ドラえもんのポケット』じゃねェのか?」
「えーと…あれー?」
水谷は分かっているのかいないのか、首を傾げてる。
篠岡は可愛い笑い声をたてている。
そして「だってマネジだもん」と笑顔で言った。
笑顔に包まれて
今日も、きっと明日も1年7組は平和。
青空シリーズのパロディです♪