『Room107 その2』





ある晴れた日の1年7組。
今日もぽかぽか陽気の昼休み。






「あれ、三橋また寝てんのか」
花井が阿部に話し掛ける。
横で三橋が寝ているが、
今日は噛み付いていないようだ。
しかし。



見れば、確かに噛み付いてはいないが
阿部の左こぶしを大事そうに両手で包んでいる。
たまに手が少し動いて、撫でているようにも見える。



「…寝てる、んだよな…」
花井はまたしても、唖然としてしまう。






「三橋は何やってんだろう」
ぼやく花井に水谷がすかさず突っ込みをいれる。
「簡単簡単、きっと阿部の手をボールだと思ってんだよ。
大事な大事なボールちゃん♪」
「お前はその『あ軽い』口をなんとかしろ」
阿部のキツい一言が飛んでくる。
「阿部、起こさないでいいのか?」
心配する花井に「いや、まだいい」と
阿部は素っ気無い返事をする。
「あと13分」
といいつつ時計を確認する。
「また泣くかもしれねェから、
その分早めに起こさねェとな」



阿部の呟きを聞いて、
水谷がにこにこしながら言った。
「こないだ三橋が噛み付いたとき、起きて気づいて
泣いて阿部に謝った姿、可愛かったよな〜。
も一度見たいよな、阿部」
「うっせ」
花井が阿部を見ると、ちょっとだけだが顔を赤くしている。
その顔と三橋のうれしそうな寝顔を見て
うちのバッテリーが幸せなら、それでいっか。
と花井も思った。





今日も、きっと明日も1年7組は平和。











青空シリーズのパロディです♪




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