吹く風はまだ春の匂いがしていた。



入部説明会も昨日無事終わり
朝練に、入部テストの準備にと糞ガキ共は動いている。
糞デブが俺、ヒル魔の顔を見るなり飛んできた。



「ねぇヒル魔ー」
「残りのシュークリームなら、糞マネと分けたらいいじゃねぇか。
俺の目の前で食うなよ。あの匂いは昨日でこりごりだ」
「そうじゃなくて、ああそれもあったけど。
…昨日さ、女子も数人来てたよね」
気づいてたのか、と舌打ちする。
「マネージャーは増やさないの?」
「あんなアイシールド目当ての女なんか入れられるか。
うちには10人分働く糞マネがいるだろーが」
「そうだね。姉崎さんが頑張ってくれてるもんね」



労働力は多い方が確かにいいんだが
俺が糞マネと呼ぶのはもうあの女だけで十分だ。


何人もいらねぇ。






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