妖一くんとまもりちゃんのお話 その13
『信じる』









神龍寺ナーガとの試合を明日に控え、
その帰り道でまもりに向かってヒル魔は言ったのだ。





「明日の試合、俺が何をやらかそーと、あんまり動じるなよ」
何てらしくないことを言うのだとまもりは思う。
まあ相手は因縁があるらしい神龍寺だから無理も無いのだが。
まもりは暫しの沈黙のあと、あっさりと返した。
「それには、自信がないわねぇ」
「…テメーはな…」
嘆息するヒル魔の顔に向かって、
まもりは人差し指を突き出して言った。
「だってあなたはお得意のハッタリとフェイクで、
周囲をまるごと巻き込んでいくんだもん。
動じるなって言われても、それはムリだわ」





息を大きく吐いて、まもりはヒル魔にそっと抱きついた。
「でもね、ヒル魔くん」
抱きつきながら顔を見た。
「わたしはあなたを信じてるわ」
「……」
「他の何よりも、あなたのことを信じてるわ。
それだけは忘れないで。不安にも、ならないで」
「…糞マネ」






そして、決して諦めてしまわないでと
まもりは願う。







わたしたちは、泥門デビルバッツの仲間たちは
クリスマスボウルの
あのフィールドに立つのだから。










おお、このシリーズ、最近真面目だ…(笑)




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