妖一くんとまもりちゃんのお話 その12
『聖母』









神よ
お許しください



わたしは
悪魔とともに
歩いて行くのです











「一緒に堕ちていかないか」と
わたしに軽いキスを落としながら
ときどき彼は言うのだ。
その瞳はいつも真剣で。
わたしは答えず、彼を見つめたままで。




何故わからないのだろう。








彼の手をとった瞬間から、
ひとりの女でしかないのだと。


とっくに
堕ちてしまっているのだと。









わたしはもう
聖母なんかではないのだ。













マリアシリーズとの対比が考えていて楽しい。
どちらの2人も好きです。




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