妖一くんとまもりちゃんのお話 その9
『ドラマの話 1』
「例えばわたしがすごく腕のいい看護師だったとするわね」
また突然にこいつが何か言い出したぞ、と
俺、ヒル魔は小さく舌打ちをした。
「聞いてる?」
「……聞こえてる」
「それであなたが天才外科医だとするわけよ」
「テメーはいったい何の話をしてーんだ」
「聞いてる?」
耳塞いだって聞こえるって、
一応「彼女」である糞マネのそのでけー声。
「あなたがオペ中にわたしは横にいて、わたしは器械出しをするの。
次に使うもの欲しいものをすぐに出してあげるの」
「だからテメー何の話を」
「わたしがあなたのことを好きだという、そういう話」
「!?」
「じゃなくて、ドラマの話よ。一緒に手術室…うらやましいわ」
「馬鹿なこと考えてんだな」
「何よ」
「テメーも俺たちと一緒に戦ってんだろーが」
そう言うと糞マネは、顔を赤くしたまま黙り込む。
俺はこいつの口からあまりにもあっさりと「好き」の台詞が
(それがたとえ冗談でも)出てきたことにただ驚いていた。
☆
これでも2人は恋人同士(笑)
すみません。
いやだからドラマ『医龍』ネタ…。
そしてやっぱりしょうもなく続いてます。