妖一くんとまもりちゃんのお話 その7
『傘 1』









夜も更けかけた頃、突然に雨が降り出した。





いつものようにアメフト部室に残っている
ヒル魔と姉崎まもりの2人は
1人は雨音に向かって舌打ちの音を投げ
1人は雨音に向かってため息をついていた。



まだ2人はつきあい始めたばかりの頃だった。



「ヒル魔くん、傘はあるわよ。ほら2つ」
まもりは自分のカバンから傘を2つ取り出す。
「相変わらず用意がいいな。
てかテメー、まだ糞チビのために傘持ってんのか」
ちょっぴり不機嫌そうなヒル魔の声に
まもりはにこりと笑って言った。
「何言ってるの。
これはあなたのために持って来てるのよ」



呆けたような表情のヒル魔を見て
まもりは再びにこりと笑った。





雨音はざぁざぁと。
そんな日のこと。










この二人の付き合い始めた
きっかけって何だったんだろう?





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