妖一くんとまもりちゃんのお話 その4
『最強の女』










「姉崎さんって、最強だね」
突然にそう言われた。
クラスメイトの男子に。



「さっきの休み時間に、ヒル魔のところに
文句つけに乗り込んだんだって?
風紀委員はしてるけど、もっとおとなしい人だと思ってたよ」
「…あ、アメフト部のマネージャーだから、
連絡事項はちゃんと伝えないと」
言いながら目が泳ぐ。
「またあのヒル魔が、しぶしぶでも動くんだからすごいね。
やっぱ最強だよ」





うれしくない。
ああ、うれしくない。
最近わたしへの皆の評価が、
昔とずいぶんと変わってきているような気がする。



だって。


だって最強の女じゃないと。



あの狡猾な悪魔とは、
お付き合いなんか出来ないわ。



一緒に歩いてはいけないわ。













とうとうシリーズ化?





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